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研究員:伊藤三洋先生 '雑記帳その5'

2010年07月07日

絵教本「エナ爺」雑記帳5  7/7
5.3Eトリレンマの題材

 ここまでは、一気に書きたかったので、お付き合い願いました。

「昭一氏の一生」を10年ごとに区切って、エネルギーと環境と経済(くらし)の風景を紹介しようとした時、以下のように目次が浮かびました。

 昭和元年からの10年のところでは、明治・大正・昭和初期の田舎のくらしを想定しよう。そこには、天然の環境、資源の共用、質素なくらしがあった。

 昭和10年代、戦時中、そこには世界競争(戦争)、それには化石燃料の奪い合い、人間的な生活観はなし。

 昭和20年代は、戦後の復興期、「自由」「平等」「平和」の旗印の下、人口増加、経済復興、食糧・エネルギーの調達がキーワード。

 64年東京オリンピックに向けての高度成長期。伊勢湾台風による自然信仰の崩壊、立ち直りのためのエネルギー大量消費とそれに伴う経済成長。

 オリンピック後の高度成長。40歳代の昭一氏は「消費は美徳」の生活。高度経済成長に乗って、大量廃棄をいとわない楽しい生活。

 50歳代の昭一氏は、豊かな生活の中で、情勢の社会進出と新しいエネルギー生産のなかで、もう一度考え直す調整転換期になってきた。

 昭和から平成へと年号が変わる頃、バブルの成熟と崩壊を体験した。いわゆるバブル経済、ゆれる生活、資源の価値が見失われた10年であった。

 昭一氏は70歳代と、円熟な人生に入りました。世の中も、「21C は環境」の時代と、意識しはじめ、"モノ"から"こころ"の時代へと変わり始めました。そこには、お金で買えない価値へ目線が向けられたとき、地球温暖化、経済難民、新しい病気に注目するようになりました。

 2005年以降、いわゆる現在のくらしです。昭一氏も80歳とは言え、元気で、ピンピンコロリをねらっています。世の中は3E(経済発展・資源エネルギー・環境容量)の限界が近づいてきたことに気づいたところです。
本研究会では、"竹鶏物語"を紹介したいのですが・・・(いきづまっています)。

 2050年、いわゆる近い将来を想定しています。みなさんもいろいろとお考えでしょうが、・・・昭一氏は、省エネ、環境技術の開発、共生の教育が必要と考えるようになりました。でも、もっと具体的な提案ができたらなア~ と思い、みなさまからのメッセージをお待ちしているところで、あります。

 皆様もお感じのように、8章以降、昭一氏は、超越した人生を送っています。身近なお爺ちゃんになれるように、話題の提供をお願いします。

 「エナ爺」は、昭一氏のなれの果て、ではなく、各章で常に、「3Eトリレンマの同時克服をどうしますか?」と問いかけ、その解答を求めるため、プロセスやシステムについて調べ、分析しようとするヒントを与える鳥瞰的な視点にいる人を考えています。
 すなわち、この本に携わっておられる貴方さまなんです。

 昭一氏は、ご存知のように、昭和元年生まれの四日市育ちのお人で、ちょっと呑気な普通(いわゆる一般的、平均的)の人生を送っている人をモデルにしています。ですから、皆さんやそのまわりの家族のなかで、昭和元年あたりに生まれた人の人生を思い返していただき、その時代にあったおもしろいエピソードなどをお教えいただければ、大変幸せです。できれば、写真とか絵など参考になる資料をつけていただければ、飛び上がるほど、大喜びをします。

いろいろと勝手なことを申しましたが、ご協力の程、宜しく申し上げます。