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研究員:伊藤三洋先生 '雑記帳その6'

2010年07月30日

絵教本「エナ爺」雑記帳6  7/28

9章・・・悩んでいたところですが、エネルギー・環境・経済の観点から全面的に書き直しました。以下、原稿文。

9章.エネルギーと環境のビジネス     2005(平成17)年~ 現在

(吹き出し)現在は、地球環境を守り、日本経済が成長を持続していくために、エネルギー利用のあり方を見直す時代になってきました。

「忘れられた10年」が過ぎ、「21世紀になったら・・」と期待していたが、一向に世の中豊かにならない。
80歳を超えた私は、歯も20本残っていて『自産自消』の食事を取れる。できれば『ピンピンコロリ』と逝きたい。「仙人が暮らし、長生不老の霊薬がある」という徐福伝説の日本は、またまた平均寿命を更新した。
 さて、私が注目している四日市大学エネルギー環境教育研究会は"竹鶏物語"というおもしろい社会システムを創造しだした。
 はじめは、高効率ヒートポンプや省エネ家電などの利用の研究や電気自動車の導入に関心を寄せており、さらに住宅、オフィス、交通機関、ライフラインを含む四日市周辺地域レベルでのエネルギー利用効率の向上を探っていた。
 研究会の参加者は、省エネ技術は勿論のこと、電力の安定供給や安定利用のために電気を蓄える技術をビジネスにと考える人、地域においてエネルギーを融通しあって、より効率的に利用する「スマートコミュニティ」を構想する人など、地産地消型環境ビジネスを予想させるメンバーが集まっている。
 "竹鶏物語"は養鶏を中心として、分解・消化酵素のひとつである『アライ菌』なるものは微粉砕した竹粉が格好の住処であり、それを鶏の餌としたり、また糞尿の脱臭をする性質を利用してマット(敷材)とする。その敷材を有機農法へ適用する。農産物は人間は勿論、健康な飼料ともなる。一方で、鶏卵は高品質であり、老舗旅館や洋菓子店でのお客様に大好評であり、売り上げが伸びているという。
 我が孫達も大学を卒業後、「納得する職がない」と言ってうろうろしていたが、いつのまにか、有機農法で休耕畑を活き返らせ、従兄弟同士で得意分野を連携し合って、野菜のインターネット販売、養豚、麦や米を使って自家製のビールやどぶろく、果実酒をも作って楽しんでいる。また、太陽光発電も軌道に乗り始め、「自産自消」型をベースにビジネス構想が描けるようになってきたと自讃自賞している。

 不況を突破するには環境対策に求めるべきだという声があります。環境問題と不況・雇用問題を同時に解決しようという考え方で、「グリーンニューディール」と呼ばれています。2009年、1月のオバマ大統領の経済政策第1弾と12月に日本で閣議決定された新成長戦略の中の「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」の内容を調べてみましょう。
環境ビジネスは、単に地球温暖化防止に貢献するというだけでなく、今後の経済最長を牽引する有力な産業であるという認識が広まっています。
 エネルギーを供給する側としては、再生可能エネルギーの活用や火力発電のさらなる効率化、原子力発電の利用拡大が新たなビジネスとなるでしょう。一方、エネルギー需要サイドの一般企業や家庭での取り組みも新たな市場創出を予感させます。「スマートコミュニティ」を予想してみてください。