一般社団法人 四日市大学エネルギー環境教育研究会

伊勢竹鶏物語~3RプロジェクトPart2~開催

【活動報告:持続可能な開発目標 (SDGs)】   2018年12月02日

環境先進都市を目指す四日市市で竹粉を利活用し地域循環型社会づくりを構築するため、四日市市の行政官、NPO/NGO職員、学術経験者、市民等が参加し「農業への竹粉利活用に向けて」と題して、次のとおり、シンポジウムを開催しました。

日 時: 平成30年12月2日(日)13:30~16:00
場 所: 四日市大学211号室(2号館)
参加者: 54名(関係者含む)
主 催: 一般社団法人 四日市大学エネルギー環境教育研究会
後 援: 四日市市、四日市大学
テーマ: 農業への竹粉利活用にむけて

講演概要:この事業は、トヨタ環境財団助成事業で行いました。
四日市市の行政官、四日市大学の学術研究者、農業分野の専門家、NPO/NGO職員等をシンポジウムのパネリストに迎え、これまで実施してきた「伊勢竹鶏物語」を振り返り、成果と課題、現況と展望について発表されました。

 基調講演
(一社)四日市大学エネルギー環境教育研究会(四日市大学名誉教授)新田義孝 会長
 SDGs(持続可能な開発目標)の先駆けとして、持続可能な開発に向け取り組んできた「伊勢竹鶏物語」は市の地域循環型社会づくりの一端を担ったと考えられ、今後も、ますます活動が飛躍していくと考えています。

 活動報告
(一社)四日市大学エネルギー環境教育研究会 古川勝敏 プロジェクトリーダー
 「伊勢竹鶏物語」Part 1~2について、これまでの活動を紹介しました。PART-1では、四日市市で繁茂している竹害に対処するため、それを鶏豚の家畜に食べさせ、有機肥料に活用しようという試みがなされました。具体的には、竹粉を混ぜた飼料を食べた鶏から取れた高品質の(伊勢竹鶏)卵を鳥羽の旅館の食事に提供し、四日市市の洋菓子店でその卵をケーキの材料として提供しました。それを拡充すべくPart2では、地域の3R活動を視野に、「竹」を核にした地域の循環型社会を構築しました。
活動の成果として、次のとおり、挙げられます。
①コメの官能試験では、現在の魚沼産の米と同等の「A」ランクになりました。
②雑草の繁殖を抑制しました。
③市の各自治会や団体を巻き込んだ竹を機軸とした地域循環型社会を構築しました。
④一定の竹粉の需給バランスを確立しました。
今後は、さらなる竹粉の検証を行い、これまで以上に行政との連携、竹の需給バランスの確立、里山保全に向け国との連携等を行う予定です。

 竹粉利活用
前三重県四日市鈴鹿地域農業改良普及センター 伊藤嘉洋 センター員
 畑の作物に竹粉を肥料として利活用することで、栄養価の高い農産物を製造することができ、この竹粉の効果で作物の糖度があがることが実証できました。

 土壌調査
四日市大学環境情報学部 廣住 豊一 講師
農耕地に導入する竹粉が土壌環境に与える影響について調査し、その結果を紹介しました。実証調査の結果から、竹粉を土壌に入れることで土壌の品質効果があがってきていると実証しました。実験では、土壌中に含まれる栄養素・化学物質を化学分析することによって。土壌中に含まれる栄養分であるリン等の測定を行いました。また、大学の研究活動の一環として、学生と研究水田で実際に穴を掘り、土壌断面調査と採取した土壌試料の分析を行いました。

 活動映像報告
メディアネット  久保田領一郎 代表
伊勢竹鶏物語の活動について、映像を通して紹介しました。

 四日市市の施策について
四日市市環境部、都市整備部、商工農水部が、環境、土地利用、農業の三分野から四日市市の施策について紹介しました。

 総括
一般社団法人地域問題研究所 田辺則人 主席研究員
各発表の概要を取り纏め、伊勢竹鶏物語の今後の展望に期待して、今回のシンポジウムを総括しました。

所感
「環境先進都市を目指す」四日市市と、四日市大学を始め教育機関、NPO/NGO、企業、事業者、市民は協働して地域の循環型社会をつくるため、持続可能な開発と地域に取り組む様々なステークホルダーと連携して、環境保全活動に取り組まなければなりません。

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