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分解・消化酵素(アライ菌)

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←「臭いがしない」「分解している」アライ菌のサンプル。
他にも、「竹微粉末」「鶏粉肥料」などのサンプル




良質な腐植を豊富に含む土壌には有機物、微生物が多く存在する。この土壌微生物を活性化させるために、種々の岩など無機物に含まれるミネラル有効成分を含む水溶液と土壌微生物からなる活性微生物群が今回使用している'アライ菌'と呼ぶ微生物群である。
微生物群は条件によって、好気的にもなるし嫌気的にもなる、すなわち本微生物の働きは条件により多様に変化する。
'アライ菌'は複数の微生物種の群による総合的な作用を示すものと考えている。それは、酵素が大量に存在し、エネルギー源となる生の有機物が存在すれば、微生物の代謝活動が好気的になると考えるからである。微生物に酵素を加えることで発酵を促し、これを中間原料にして、畜産糞尿、食物残渣、生ごみ及び下水汚泥、またこれらの混合物になる有機廃棄物から発生する悪臭を除去することが出来る。また、有機廃棄物中に含まれているのを良質の家畜飼料を作り、そして不特定の雑菌が無害化される等が経験的に実証されている。
敷料においても、'アライ菌'を用いた活性混合微生物による発酵の過程において糞尿の臭気を抑制することも経験的に実証されている。
活性微生物が土壌中に棲息し、土壌中の有機物をタンパク成分に分解して、植物の生長に必要な栄養素を生成するので、土壌全体が良質の団粒化構造を有する肥沃土に改良されるものと考えている。活性微生物の活動に好適な条件下で有機肥料が製造されるため、肥料原料から生じる悪臭の発生を抑制出来るとともに、基質資材の分解・発酵作用が良好に進むため、有機肥料の製造期間も短縮できる。例えば、従来のコンポスト製造技術では、1年以上の時間を要していたのに対して、その1/5~1/10程度の短期間で熟成を行い、安定した活性堆肥素材が得られる。
大量に排出され、やり場がなく持て余されている畜産廃棄物、生活廃棄物等の原料を有効に活用して、高品位でしかも品質の安定した農業用素材を、工業的規模で大量に生産できる化学肥料や農薬等を用いることなく、あるいはそれらの使用量を少なくして耕作農業や芝地等の管理が可能となり、環境浄化に資するところきわめて大きいと考えられる。
他方、'アライ菌'と一緒に用いる竹(微粉砕した竹粉)は微生物の格好な住み処になるスペースを持っている。これに有用微生物('アライ菌'を作るもとの微生物群)を住まわせたものに、家畜などが糞尿を直接排泄すると、その混合物を攪拌させることで、微生物が活発化され臭気を抑制さることが経験的に実証されている。
植栽機で破壊された竹の細胞組織、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの炭水化物は地表面で土壌微生物による酵素酸化還元作用や腐蝕分野作用を受けて、腐植になり、'アライ菌'による酵素を加えることにより地表面での生化学反応、その生成物の利用で養分とするミネラルの元素の供給手段で伸張補助ができる。竹の成分の中にトリプトファンが蓄積されており、トリプトファンを摂取して太陽の光を浴びるとセロトニンが形成される。セロトニンには精神を安定させる働きがあると言われている。かくして家畜等のストレスを少しでも抑制するのに竹の性質と土壌微生物との混合物が効果的でると筆者らは考えた。

鶏のエサを有用な菌だらけにしておくと、感染症の菌がそこへ入って、繁殖しようとしても生存競争に負けて駆逐される。
一般的な養鶏では、鶏は感染症を起こす菌をほとんど含まない水やエサしか取らないため、口から感染症が染ることはない。それが、鶏が健康に育つ理由である。鶏に'アライ菌'のもとになっている有用菌を含んだ餌を食べさせていると、菌が腸管の免疫系を刺激する。そして、身体全体の免疫力が強化されるので、鶏は病気になりにくくなると考えられる。
本プロジェクトおよびそれに至る筆者の経験では、自家発酵させた飼料には、いろいろな有用菌が作り出した健康に良い様々な微量栄養素が含まれていると考えられ、これが、鶏が健康に育つ理由である。つまり、良い発酵食品を良く食べるようにすることが、健康を守るには有効で、抗生物質を使わない有望な方法である。すなわち、生きている発酵食品を食べることが、健康を保つ秘訣である。
今日注目を集めている有機農法では、肥料は自然界のものを利用し、化学薬品、化学肥料等は出来る限り使用しない。本プロジェクトでも我々は同様に考え、微生物を利用して堆肥を作り、それを農業に活用しようと考えて試行している。酸素の多い自然界は、好気性微生物の活動が活発で、嫌気性の有用微生物が優勢になることはない。さらに、副次的効果として、汚れをつくる有害微生物の繁殖が抑えられることと、作り出した抗酸化物質による酸化防止の効果が期待される。

 かくして、'アライ菌'を適用して鶏の餌、糞尿を吸収して脱臭するために用いるマット(敷料)、敷料の有機農法への適用を、本プロジェクトで実施し、その効果を確認した。