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廃棄物のリサイクル事業について

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本研究「竹鶏物語~3Rプロジェクト~」では、通常の養鶏に必要な飼料すなわち配合飼料の50%を、有機物のリサイクル品で賄うことができた。
四日市市のごみ処理基本計画では、事業系廃棄物の排出を、平成35年ままでに、年間4,000トンを削減する目標を掲げている。これを、当プロジェクトの養鶏飼料に比較すると、5万羽の養鶏規模に相当する。
このことから推定すれば、このプロジェクトが大きな力を持っていることは確かである。
一般的に、「リサイクル」という概念は、再資源化ととらえられている。
しかし、食品については他の製品と違う要素を持っています。
それは、時間が商品化されているということである。
言いかえると、食品は折角、製品化しても時間が経つと製品ではなくなる。
よって、消費を考えた製造が必要となる。なぜなら食品にも長時間保存が効かないものが大半を占めている。
食品リサイクルは、この要因から発生した廃棄物が非常に多くを占めている。
排出する食品未利用物には、次のようなものが考えられる。
1.食品の製造段階で発生する未利用部位の廃棄(調理くず)
2.規格外製品の廃棄(工程切り替え時の廃棄処理など)
3.賞味期限回収品
4.食べ残し品の廃棄(事業系一般廃棄物)
この中で、4項目は品質が一定でなく、しかも異物の混入が避けられす、飼料化には難しい。
食品未利用物とは
1.食品の製造段階で発生する、未利用部位の廃棄
     (調理くず)
2.規格外製品の廃棄
     工程切替時の廃棄処理など
3.賞味期限回収品
     包装資材などを含む廃棄品
4.食べ残し品の廃棄(事業系一般廃棄物)
     品質が一定でなく、異物の混入あり

本プロジェクトに使われているものは、1.2.を主としたもので製造で行っている。
食品未利用物中の栄養素を再資源化するためには、多量の水分を保有していることと、酸化・腐敗・発酵を考えなければならない。特に飼料化には、いくつかの排出側での準備と利用用途側での準備が必要である。
それは、生物が食するに値する安全面と、栄養素の担保や衛生面に関するトレーサビリティを確保することが必要です。
また、それを実行できるインフラも整えなければならない。
伊勢竹鶏物語のプロジェクトは、冒頭に述べましたが、有機物リサイクルの実証として、既存飼料に対して50%の添加を可能にするところまで確認している。
また、この方法が養鶏環境・鶏卵品質について好評価を得ていることは、後述するように、第3部の外部評価委員から示される。
リサイクル飼料の技術的根拠は、種々のコラボレーションの結果、完成されているが、食品リサイクルは、高度な管理とコストが重要であり、事業として成り立つ仕組みが必要となる。これには、地域循環型社会が構築されてこそ可能になる。
時間経過にともなう品質劣化が致命的であり、保管・輸送コストを出来る限り軽減する必要性から、地域循環型ループを構築し、継続的な需給バランスを確保することが重要である。
地域特産品などの高付加価値商品の開発や既存産業の環境改善・活性化などに目を向けた相互に協力しあえる強力なループが必要ある。
食品リサイクルは、一企業で完結するリサイクルではない。
排出者は、次工程のリサイクルに見合った原料の供給を考え、再生利用事業者は、地域の産業・消費活動の循環役として活躍することが相互の利益を伴って、循環型社会の形成維持することが出来る要因である。
このプロジェクトが求める効果を、事業化するには技術的なものより以上に、仕組みづくりが重要である。