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竹微粉末と活用について

1.鶏の飼料用竹粉末の製造
青竹の枝葉の全量を使用するために、最初に50ミリメートルの竹チップを製造する。
竹チップの製造は㈱氏家製作所のグッドカッターUGSB―25-200C 型を使用した。
次に、微粉末の製造は神鋼造機㈱製の植繊機SE-15型を使用した。植繊機の使用目的は竹の強固な構造を持つ木質有機物を解繊処理するためである。植繊機は一度に竹のチップを加圧、混練、共磨、爆砕し、さらにもう一度、同じ工程を繰り返して、二度粉砕により微粉末にする。この方法は竹に含まれるブドウ糖、でんぷん、その他の成分を分解し易くするためである。
2.発酵竹粉末飼料への処理
微粉末の竹粉には短時間にカビが発生し、そのままでは飼料として使用できない。そこで、腐敗を防止するために、有効な酵素を即時に添加し、酵素発酵させて発酵竹粉末飼料とする。酵素発酵には酵素の培養のために米糠、水分、温度と空気(酸素)が必要となり、発酵機に投入して処理する。発酵終了後は乾燥粉末にして保存する。
3.発酵竹粉末飼料の添加量と効能
発酵竹粉末飼料と添加量は普通飼料の5%(重量)以内で十分である。
ところで、発酵竹粉末を使用した鶏卵の評価は高く、また鶏糞について悪臭の発生が少なくなっている。
≪資料≫
竹に含まれる微量成分について
竹について40年間にわたって研究されている、埼玉県在住の日下英元氏によれば、①竹のものすごい成長力を抑制する、成長抑制ホルモン(アブシジン酸)の還元作用での研究、②成長ホルモンのオーキシンがインドール・アセトアルデヒドに変化し、副交感神経を作用、③細胞を素早く修復するジベレリンホルモンの働き、④セロトニンによる精神安定の働き等について⑤他にも多くの研究報告がある。(森下自然医学誌、2007.4)
孟宗竹(もうそうちく)の構成物
10数%:細胞内含有成分(抽出成分)
20~25%:リグニン
20~25%:ヘミセルロース(主に、アラビノキラシン)キシロオリゴ糖(腸内細菌の増殖促進、免疫賦活作用、糖尿病症状の軽減化など)
40~50%:セルロース
生竹粉末パウダーの成分(100g)
水分 7.9(g) ヒスチジン 11(mg) グリシン 34(mg)
たんぱく質 0.8 チロシン 12 プロリン 38
脂質 1.0 ロイシン 44 リジン 29
灰分 0.9 イソロイシン 22 グルタミン酸 67
炭水化物 89.4 メチオニン 10 セリン 32
エネルギー 370KCal バリン 33 フェニルアラニン 26
ビタミンB2 0.03(mg) アラニン 41 アスパラギン酸 67
アルギニン 26 ビタミンK1 0.012

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