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第3回:四日市市地域リーダー養成講座開催!

2010年07月03日

四日市大学エネルギー環境教育研究会は、平成22年度 四日市市「地域リーダー養成講座」の運営を委託、基礎編第3回を下記のように開催いたしました。

●日 時:平成22年7月3日(土)
●参加数:午前21名 午後19名
●場 所:四日市市環境学習センター

【午前の部】10:00~12:00
テーマ:水の生態系と温暖化について
講 師:田中正明(四日市大学環境情報学部教授)
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内容:自然の中のミクロな世界でも「温暖化」による人為的な影響で現象が起きています。
1.熱帯性あるいは亜熱帯性種の北進、増加 mi12[1].jpg     
2.北方性(寒冷種)の減少あるいは消失
3.外来種の侵住
4.琵琶湖系の種類の分布拡大。河川では、全国的な中流化
5.種間雑種の形成
6.絶滅種数の増加
※昔のミジンコと最近のミジンコ(右写真)の顔つきが違うことが解った。1950年代にブラックバスが入り込んで1年後にミジンコの外来種が入り込んで来たと報告されました。※藻類のボロリオコッカス(Botryococcus)は、単なる「ごみ」と扱われていたが、実は、田中正明先生が1g中に75%が石油(身体を浮かせるため)であることを解明されました。石油を取り出すとことは技術的に難しいが、これを利用できれば資源に限りがある化石燃料の代替となると。他にも、藻類の紹介を多数伺うことが出来ました。

【午後の部】13:00~15:30
テーマ 土壌の環境浄化作用
講 師 大倉克己(四日市大学環境情報学部)
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内容:地球の基盤である「土壌」についての構成から機能そして微生物に至る働きなど。
1.土と土壌 「土」とは気候、地形そして生物の相互作用によって生成される。
2.土壌の構成成分   
3.人から見た土壌の機能      
   ●地上の植物を育てる機能 ●水を保持する機能 ●有機物や化学物質を分解し浄化する機能
4.良い土の中は団粒構造をなしていて、環境保全に役立つ
5.有機物の無機化 6.相互接種群とマメ科植物
7.脱窒菌のいろいろ(微生物が土壌をきれいにしている)

※土壌について詳しい内容を報告されました。特に、団粒構造を形成している粘土や腐植は、電気的に負の電荷(マイナス)を帯びていますので、正の電荷(プラス)を帯びた有害な重金属イオンを保持し、重金属イオンが直ちに地下水に流れ込むのを防ぐなど、土壌は陸上生態系における重要な物質循環の場であることも解りやすく説明されました。

◎午前も午後も大変興味深いお話に、受講生の皆様は熱心にメモしながら聞き入っていただきました。

                      報告:矢口芳枝